相加・相乗平均

相加・相乗平均(数Ⅰ)

2つの正の数、AとBがある。

相加平均はわかる。平均だから足して2で割れば平均。

(A+B)/2

相乗平均ってなんだ?

AとBとは、共に「メートル」という長さの単位だとする。

すると、AxBの単位は(メートル)の2乗になる。

大きさを比較する場合、単位はそろってなくてはならない。
メートルと、メートルの2乗とは大きさの比較ができないのだ。
メートルとキログラムの数値の大きさの比較ができないのと同じ。ディメンジョン(次元)が違うからだ。

それで相乗平均は、メートルの2乗をメートルにするために、ABのルート√をとる。
メートルの2乗のルートをとると、メートルになり、大きさの比較ができるからだ。つまり相加平均のメートルの単位と≧を使って大小比較ができる。

そして、教わるのがこの式。
AとBが正の値のとき、
(A+B)/2≧√(AB)
等号成立はA=Bのとき。

証明は簡単。左辺の2乗から右辺の2乗を引いて、それが0以上であることを示せば良い。
(A^2+2AB+B^2)/4-AB
=(A^2-2AB+B^2)/4
=(A-B)^2/4≧0
等号成立はA=Bのとき。

AとBは正の数なら相加・相乗平均は成立するが、等号が成立するのはA=Bのときに限る。

例えば、A=2でB=4のとき、
(A+B)/2は3になるが、√(2・4)=2√2で、3≧2は成立するが、等号が成立する場合はない。

ちなみに、A≧Bの意味は、AがBより大きい、またはAとBが等しい、のどちらか一方が成立すれば良い、という意味で、Aが必ずBと同じになるときがあって且つそれよりも大きい、という意味ではないので混乱してはいけない。